婦人靴製造・卸・小売りのモード・エ・ジャコモは、昨夏に民事再生法の適用を申請した婦人靴卸のシンエイから譲り受けた婦人靴事業の国内工場を活用し、「必要とされるものをスピーディーに供給する」(山崎陽子社長)製販一体の仕組みを整える。
今秋から国産を中心とした百貨店販路の卸売りを再度強化する。
シンエイから事業を引き継いでブランド数が増えたため、昨秋以降、組織やブランドを再編し、今秋冬向けで計13ブランドに絞った。モード・エ・ジャコモの「メダ」「カリーノ」「マヌ」「ルシェルドール」「デイシー」の5ブランド、旧シンエイの「リズ・ラフィーネ」「リズ・アーバントラディショナル」「リズ・コンフォート」「スタイルラボ」「マリー・ファム」「マリー・クラブ」「アトリエ」「パラーレ」の8ブランドを継続、「消費者に喜んでもらう原点に立ち返り、無難な品揃えをやめて一歩踏み出した提案を心がける」。
特にエレガンスシューズではトレンドを反映した商品を強化する。百貨店のモード・エ・ジャコモの売り場では、自社ブランドを複合して商品構成しており、旬の色やディテールが目を引くイタリア製のブランドも仕入れで差し込み、全体の見え方や企画をブラッシュアップする。同時に、吸収した新興製靴工業の生産機能を活用し、期中追加のQR対応を強める。
「デザインに凝った靴は技術を継承する墨田区の工場を中心に、量産するものは福島の工場で」適時生産する。全体の20~30%のカジュアル靴はカンボジアの工場で生産する。
国産の価格帯は1万6000円が中心で、現状は、ほとんどが2万円以下。来春には「デザイン価値の高いものにチャレンジした新ブランドを導入」し、従来の国産とインポートブランドのブリッジゾーンとなる2万円台の商品を揃える。
販売拠点は現在、モード・エ・ジャコモの売り場と、旧シンエイから引き継いだ売り場を合わせて100近くになる。この規模を維持しつつ、来年以降は「新生モード・エ・ジャコモとして売り場のリニューアルに取り組み、百貨店以外の新規出店も検討していきたい」としている。
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