業界紙の新年号(柏木均之)

2013/12/29 14:50 更新


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柏木です。

前回のブログからずいぶんと間が空いてしまいました。

実はこの間、新年号の仕事をしていたのです。

日刊(月~金ですけど)の新聞の、しかも業界紙が新年号?と思われる向きもあるかもしれません。少し説明をすると、こういうことです。

業界紙は基本的に取材対象となる業界で働く人たちに仕事上、お役に立ちそうな情報を届けるのが役割(ウチの場合、ファッション業界全般の皆さんに向けて、ということになります)なので、月~金のワーキングデイズに発行するのが、基本です。

ただ、正月の1月1日だけは、普段のニュース報道主体の紙面とは違った、特集をメーンにした新聞を作ることにしています。

メインテーマは、毎年変わります。「今年はこういう流れ、トピックが業界において大きな影響を及ぼす」と仮説を建て、日々の紙面とは別建てで、時間をかけて取材し、がっつり1テーマを深く掘り下げ、年の初めに読者の方々にじっくりお読みいただこう、という趣旨で作ります。

 


 

これまでに例えば、

「F1層1200人に聞きました―ユニクロとザラが選ばれるワケ」(2012年)

「ものづくりを考える―作り手、売り手、買い手が一緒に開く活路」(2013年)

といったテーマで、新年特別号を編んできました。

それで来年の2014年です。新聞なので1月1日の紙面をここでそのまま見せることは不可能なのですが、特別号のタイトルだけお知らせすると、「脱・飽和のススメ」です。

たぶん、日本のファッション産業で働く人なら、社長さんから現場の店員の方まで、みんな感じておられることだと思うのですが、日本のファッションマーケットって、今、明らかに過剰です。

10年も前からその状況自体は指摘する人もいましたが、その後、マーケットの過密感はさらに高まりました。その論拠の一例を挙げると、

1、日本の衣料消費市場の規模は過去10年で4000億円減り、9兆円弱にまで縮小した

2、でも衣料品の市場への供給量は5億点増えて40億点まで膨れ上がった

3、市場を席巻する低価格小売業の店舗数は3500店で倍増した

ようするに、安く買えるようになったはいいが、薄く広く行き渡って、ファッションがもたらすワクワク感とか楽しみとかも比例して弱くなってしまったんではないかってことです。

でも年齢、性別、地域を問わず、消費者からこんな声も聞こえるようになりました。今のファッション市場に「不満はない。でも別に満足できているわけではない」

物量だけは豊富で、当たり前に、誰にでも、手軽に、ベーシックもトレンドも入手できるようにはなったが、不便を解消したからといって、必ずしも今の市場が消費者の気持ちに寄り添えているわけではないようです。

「すでにあるもの、先に誰かが手を付けているものは、もう市場で飽和していると考えたほうがいい」。

ただし、一見飽和状態にある市場でも、隙間はある。

繊研新聞の14年1月1日付の紙面では、そういう、マーケットに垣間見える、穴や隙間を捉えようとしている企業や人を取り上げます。

特集紙面は、まず原宿の竹下通りから始まります。ファストファッションやセレクトショップ、個店がぎゅうぎゅうに林立するこの場所で、始まっている10代の心をつかむある小売店の仕掛けを取材します。

繊研新聞独自調査による「日本のファッション市場を読み解くデータマップ」も載ります。

大手、中小、規模を問わず、結果を出している企業トップに、市場で「次」を見つけるための目の付け所や考え方を生の声で語っていただく、ロングインタビューもあります。

詳しくは来年のお正月に。

ご期待ください。




かしわぎ・まさゆき 20余年にわたり、川上から川下まで取材をしてきた記者が1億コ(自己申告)のネタから選りすぐりを披露します。編集部記者。92年入社、大阪支社で商社など川上分野とアジアを長年取材。02年に東京本社転勤、現在、セレクトショップや外資系チェーン店などを担当。統計資料なども司るデータ番長


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