《ミモザの日に考える》多様な生き方の自由 根強く残る「男性は仕事、女性は家庭」

2024/03/08 06:30 更新


 3月8日は「ミモザの日」。国際女性デーが別名の美しさも手伝って浸透してきた。イタリアで男性が女性に感謝を込めてミモザを贈る習慣が日本でも知られ始め、改めてジェンダーについて考える機会になりつつある。

 ここ数年話題になっているのが、女性の正規雇用比率を示す〝L字〟カーブ。男女共同参画局の調査によると、日本の場合、25~29歳の58.7%をピークに緩やかに低下する。20年に内閣府の有識者会議で問題提起されたL字カーブは、就業率のM字カーブが解消され始めた後も、多くが非正規雇用である実態を示す。

 共働き世帯は80年以降、増加の一方だが、職業や雇用形態の違いが男女の賃金差を生んでいる。OECD(経済協力開発機構)の22年のデータでは日本はEU(欧州連合)に比べ約2倍の格差がある。「男性は仕事、女性は家庭」の意識の強さは依然として根強い。

 男性が家事・育児しやすい社会の成熟が、女性活躍を促す。そのため官民の動きは活発で、直近では厚生労働省が従業員100人超の約5万社を対象に、男性の育児休業取得率の目標値設定と公表を義務付ける方針を固めた。男性の育休取得率は年々わずかに増えているが、周囲の理解の不足、キャリアや収入への影響で消極的な人も多い。取得期間の短さも課題だ。

 大切なのは、男性にも女性にも多様な生き方、働き方を選べる自由があること。男性の育休取得をはじめ、男女で協力し、仕事と家庭を両立できる環境作りが必要だ。

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