「うちの値上げは他社とは違う」と強調するのは、三起商行の木村皓一社長。夏物から価格を平均1.8倍に上げ、8月からは「ミキハウス」の価格の3倍の「ゴールドレーベル」を販売。円安やコスト高という短期的な要因ではなく、世界的な高級子供服ブランドになるためとして、「10年間言い続けてきたことがやっと形になった」という。
(金谷早紀子)
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売上高は今期(23年2月期)、海外と日本の割合が6対4となり、初めて海外が日本を上回る見込み。海外では日本の1.8倍の価格で販売しているため、内外価格差の是正も値上げの理由だ。日本の物作りが疲弊するなか、「良い物を価値に見合った価格で売る」ことで、得た収益を協力工場に還元し、投資に充ててもらいたいという支援の意味合いもある。主力商品の靴はこの10年で価格を倍に上げ、工場も設備や人材に回す好循環になっているという。