経済産業省は25年度の当初予算案で、GX(グリーントランスフォーメーション)・省エネルギー、半導体やAI(人工知能)などへの投資を促進するとともに、繊維・ファッション企業を含め、コロナ禍後の中小企業の成長支援を目的とした事業を拡充する。
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同省関連の予算案総額は2兆524億円(今年度当初予算額1兆9072億円)。そのうち、一般会計は3525億円(3580億円)で、中小企業対策費は1080億円(1082億円)で、ほぼ今年度並み。
GXや省エネ、脱炭素化関連の予算を今年度補正予算の3194億円に加えて、1兆28億円(9644億円)計上した。繊維・ファッション関連企業も活用できる事業では、今年度補正で300億円を計上した「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」で760億円を上乗せするなどした。資源循環促進策も強化し、「産学官連携による自律型資源循環システム強靭化促進事業」で30億円(35億円)を計上、「資源自律経済確立に向けた産学官連携加速化事業」9億5000万円を加えるなどした。
中小企業向けでは中小企業活性化・事業承継総合支援事業で今年度補正の61億円に加えて、144億円(146億円)、価格転嫁の促進など取引適正化のための中小企業取引対策事業で補正の8億3000万円に加え、29億円(28億円)計上した。政府系金融機関による資金繰り支援も強化し、予算額を223億円(192億円)に増やした。さらに、海外でのビジネスマッチングや展示会・商談会への出展などを支援する「海外ビジネス強化促進事業」を新設、28億円を計上した。
財政投融資でも海外市場開拓を促進するため、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)への産業投資を100億円(今年度計画90億円)に増額した。