《めてみみ》ESとCSと収益と

2025/10/10 06:24 更新NEW!


 「将来には真夏の昼間が休みになるかもね」。地方都市の中心部にある百貨店の幹部が話していた。猛暑日が続いていた今夏のセール。店内に客はいたが、セール開始間もない時期にしては少ない。店に向かう路上には、全くと言っていいほど人の姿を見かけない。暑い日だった。

 午前中と夕方からの営業をイメージしているようだ。年々、ひどくなるように思える長い夏。シーズンMDの見直しだけでなく、営業時間の変更も考えざるを得ないのだろう。ランチとディナーの間は閉店している飲食店が頭に浮かび、「確かにありえますね」。そう返答した。

 営業時間の短縮や休業日を増やす動きが商業施設で広がっている。今年は複数の百貨店が1月2日を休業日にした。これらの百貨店は26年も元日、2日の2日間休業を続ける予定だ。大阪のある地下街は8月から物販、飲食の営業時間を1時間短縮した。全館休業以外にテナントが任意に休業できる「店舗別休業日制度」を増やしているSCもある。

 こうした動きの最大の目的は、テナント、取引先を含めたES(従業員満足)の向上だ。もっとも、実際には消費者の利便性などCS(顧客満足)や収益面も考慮して決めており、地域ニーズを踏まえ元日営業を続けるSCもある。ES向上はわかるが、考慮すべき課題も多い。あるべき営業体制の模索が続いている。



この記事に関連する記事