中学生の息子は15~20年ほど前のライトノベル、漫画、アニメなどサブカルチャーにはまっている。特に『涼宮ハルヒの憂鬱』などはスピンオフ漫画やDVD、CD、ゲームソフトまで中古品をオンラインで買いまくっている。電子書籍やサブスクリプションが常識の時代に、子供部屋は本やDVDでいっぱいだ。
記者も中高生だった80年代に、既に伝説化しつつあった60年代漫画に憧れた。手塚治虫作品はもちろん、白土三平の『カムイ伝』やつげ義春の『ねじ式』などを買い集め、今では自分の部屋が漫画であふれている。自分が興味を持ったコンテンツの源流をさかのぼって深掘りしたくなる性分なのだろう。
ファッション業界でも少し前に、女子中高生からY2Kが注目された。2000年ごろに流行したギャルファッションは若い世代には新鮮に映り、その母親世代には懐かしく感じられるようだ。NHKの連続テレビ小説『おむすび』でも当時のギャルファッションが登場している。
取材で訪れた地方のセレクトショップのオーナーから「裏原のストリートブランドは今も元気」と聞き、驚いた。当時のファンは40~50代となった今も変わらず常連で、その子供世代が新たなファンになっているからだという。浮き沈みの激しい業界で、時代や世代を超えて愛されるブランドに学ぶことは大きいだろう。