《めてみみ》来年のヒット商品は

2024/12/23 06:24 更新


 「今年のヒット商品は、短期的に得する感/『つらさ』からの解放/『する』より応援という流れが強かった」と指摘したのは日経BP総研の品田英雄客員研究員。『日経トレンディ』に掲載された「ヒット商品ベスト30」をもとに、日本メンズファッション協会のセミナーでヒットの傾向や理由を分析、解説した。

 24年は政権与党が苦戦し、米国、韓国など国際情勢が不透明、物価高・インフレ、実質賃金が上がらない、生活者が苦しい時代と分析した。そんな中、30位までに入ったファッション商品は、18位のバレルレッグジーンズ(ジーユー)くらいだった。

 来年はどうか。現在、新年に向け経営者インタビューをしているが、明るい話題は多くない。全般的に節約志向が強く消費マインドは低いと予測。さらに気候変動の影響で商品・販売戦略も難しい。今年のような長い夏と暖冬を前提にシーズンMDを見直す企業がほとんどだ。

 25年のヒット商品について品田氏は「消費行動の保守化/不満の解決/応援する喜びなどが注目される」と予測した。また、占有時間が多く拡散力のあるスマートフォンの影響力がますます大きくなると指摘。さらに理想より現実、中期より短期、社会より自分という傾向を心配する。厳しい見通しの来年だが、ファッション分野からヒット商品が多く生まれることを祈りたい。



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