素早い対応に驚いた。高島屋が堺店(堺市)を26年1月に閉店すると発表した同日。同店が入る南海堺東ビルを所有する南海電気鉄道がSC「HiViE(ヒビエ)堺東」に改装すると発表した。別々の発表だったので気づかなかった人も多いと思うが、閉店発表と同時に「次」の施設名称が明らかになるのは珍しい。
同ビルは地下2階~地上9階で延べ床面積約8万7000平方メートル。高島屋は64年10月から核テナントとして60年間、営業を続けてきた。高島屋運営の売り場面積は百貨店、専門店計で2万5000平方メートル強。現時点のフロア構成は地下1階~地上6階と7階、9階の一部だ。
堺東駅直結のビルで、金融機関や物販店、飲食店、クリニック、サービス店舗なども入る。周辺に官公庁やオフィス街があり、駅の1日当たりの乗降客数は5万4000人以上(23年度)と多い。南海電鉄グループが直接賃貸している百貨店以外のテナントは営業継続する予定だ。
同日発表は「水面下でリニューアル構想を描いていた」ことで実現したものだ。改装時期やテナント構成は未定としているが、早々にテナントリーシングに動ける。商業継続か、建て替えか。百貨店やGMS(総合小売業)など大型店閉店後の跡地活用はなかなか決まらないことが多い。街の活力を考えれば、決断は早い方が良い。