《めてみみ》ボルダリング

2024/09/25 06:24 更新


 あるスポーツブランドの誘いで、ボルダリング体験会に初参加した。試したのは初心者向けのウォールだったので簡単に登れると思っていたが、いざやってみるとこれが結構難しい。次につかむべきホールドに手をかけようと思っても、なかなか届かない。

 コーチによると、「手で体を引き上げようとするのではなく、足をきちんと踏み込むのがコツ」という。確かにその助言に従うとグイグイと上へ登ることができた。五輪などの競技映像では選手の手の動きにばかり注目していたが、大事なのはむしろ足だった。見た目のイメージと実際のところの違いを改めて知った。

 コロナ特需の反動で、キャンプとゴルフ用品販売の落ち込みが深刻だ。しかし、実際のフィールドはにぎわっている。経済産業省の調査では、23年の8都道府県のゴルフ場入場者数は19年を上回った。キャンプ場の検索・予約サイト「なっぷ」によると、23年の予約件数は19年の3.3倍だったという。

 つまり愛好者は大きくは離反していないわけだ。購買の一巡などで流通在庫は膨らんでしまったが、愛好者は以前に比べて着実に増えている。在庫がうまく消化されれば再活性化する可能性すらある。市場参加人口の裾野の広がりは、まさに消費の足腰が鍛えられていることを意味する。これからの踏み込みに期待したい。



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