《めてみみ》荷主の取り組み

2023/07/04 06:24 更新


 国内の物流は、2010年代前半から需要が急激に高まり、人材の不足が加速し、トラックドライバーの厳しい労働環境が問題視されている。24年4月にはドライバーに時間外労働の上限規制が適用され、輸送能力低下などが予想される。「物流の24年問題」を踏まえ、荷主と物流事業者による課題解決が求められている。

 日本百貨店協会はアパレル・ファッション関連商品の開店前納品の是正、納品リードタイムの緩和に向けた取り組みを始めた。百貨店では、これまで店舗の開店時間に合わせて品揃えをするため、物流事業者が深夜に検品作業し、早朝にドライバーが集荷する開店前納品が慣例化している。

 この検品作業を日中に移行し、納品時間を開店後にずらすことで、物流事業者の深夜業務のうち、検品作業を削減し、ドライバーの労働時間短縮につなげる。また、納品量が多い店舗は、開店時刻に間に合わせるため複数のトラック(ドライバー)で納品しているが、1台のトラックによるピストン運行に切り替える。納品量の少ない店舗は、納品回数を減便し集約することで、積載効率を高める。

 高島屋や三越伊勢丹の店舗で今回のスキームの実証実験を開始しており、6月に全国の加盟百貨店向けの説明会を実施し、検討課題を共有した。今後は雑貨などに拡大を予定している。



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