《めてみみ》封鎖解除

2022/06/01 06:24 更新


 ここ2カ月、上海の都市封鎖や経済停滞に目が行きがちだったが、中国全体を見渡すと「消費は停滞でも、貿易は比較的順調」な様子である。

 上海市に隣接する浙江省の1~4月の経済を見ると、感染影響で社会消費総額は12%下落したが、貿易輸出入額は19%増、うち輸出は23%増。同省には張家港、常熟、太倉など有力港があるが、防疫体制下でも相応に稼働したと考えてよいだろう。

 青島も貿易の重要港。この市を含む山東省の1~4月経済は、社会消費総額は0.3%の微減だが、貿易額は約14%増で輸出は23%伸びた。本来は上海から出す貨物を一定代替しただろうと推測される。

 一方、消費はどうかを確認するため、青島市街の様子を日本人駐在員に問い合わせた。4月下旬に感染者が増え、一時は飲食店は営業不可となり、外出抑制まで行きそうだったが、比較的早くに感染が収まり、今は公共サービス、SC、飲食店の全てが営業。不安な時期を脱したからか「飲食店は混んでいて、市民の日常の買い物も活発」という。消費傾向は生活を高める上質品がよく売れ、化粧品、貴金属アクセサリーは10%以上の伸びという。

 上海も6月1日に封鎖が解除される。様々な商品分野で消費活性が期待されるが、青島に表れているように、より生活に合ったモノへの選択眼が強まる気がする。



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