8月は中国でも新型コロナウイルス感染抑止策が強化された影響で、売上高の前年同月超えが続いていた上海商業施設も減少に転じた。生活にさほどの制限はなかったものの、街の人出は減り、消費に響いた。今後も突発的に起こる感染抑制時に、客とどうつながっていくかは実店舗の大きな課題だ。
そんな中、9月上旬にSC関連メディア羸商网が主催するショッピングモールサミットが開かれ、SC動向が紹介された。今の中国の消費トレンドは「ラグジュアリー・高級感」。買う行為だけでなく、体験でも高級・上質空間作りが客を呼ぶきっかけという。
21年上半期のテナント開閉店もユニークなデータだった。中国23都市・1000SCのテナント閉店数は約2万5000に対し、開店が約2万7000で、開店数÷閉店数は1.08。20年はあらゆる業種で1未満だったので、開店意欲は回復。そのけん引役は非アパレルで、自動車展示が5.58、キャラクター、デジタル機器1.8と、体験型が急増した。
一方、アパレルは0.89と閉店基調が鮮明。とはいえ、業種ごとに見ると、レディスが1.05、メンズ0.5。レディスは消費変化をとらえて商機をつかみにいくブランド・店が存在する一方、メンズはニーズに合ったコンテンツがまだ少ないか。中国での商機はまだ色々ありそうだ。