和歌山県九度山町は、戦国武将の真田昌幸・幸村親子ゆかりの地。以前は、ひっそりとした田舎町だったが、16年のNHKの大河ドラマ「真田丸」の放映を機に真田ミュージアムなどがオープン、今でも歴史ファンが散策する姿が目立つ。
真田一族はタフな家である。信州の土豪から身を興し、武田信玄に仕えて名を上げた。武田家没落後の騒乱の世、昌幸は織田、上杉、北条、徳川、豊臣と何度も主家を変えながら、家を守り抜く。最後の関ヶ原の戦いでは、長男と次男を敵味方に分け、どちらが勝っても家名が残るように画策したと言われる。
コロナ下、そしてアフターコロナでは、より熾烈(しれつ)な生存競争が始まり、これまでと次元の違う戦国時代が来るだろう。大企業は規模を生かした戦略を進めるだろうが、中小企業にも方策はある。ニッチな消費者ニーズに向き合い、知恵と小回りの良さを武器に変化に即応していきたいものだ。ECやSNSといったかつてない武器もある。
1社で難しければ、有志が合従連衡したり、上手に他社の力を借りるという手もあるはず。組織で動く大企業と違い、トップが意気投合すればすぐに連携して事業をスタートできるのも中小企業の強み。タビオの越智直正会長の造語を借りると、今こそ「サムライチェーンマネジメント」が力を発揮する時代だ。