連休前の忙しい夕方、仕事に区切りも付いたし、久しぶりに息抜きをと食事に出かける。だが、席に着くなり、8時で閉店、あるいはラストオーダーだと店員に説明され、改めてまん延防止等重点措置の適用期間中だということを思い出す。
都心に暮らす人の中には、先々週から先週にかけて、こんな経験をした方が結構いたかもしれない。ネットやテレビのニュースをある程度気にして生活していれば、感染者数はむしろ増えていて、事態が終息に向かっているわけでもないことくらい、皆認識はしている。
だが、2度目の緊急事態宣言は解除されていたわけだし、知らない者同士ではなく、近しい仲間がごく少人数で十分に注意するからたまには。そんな気持ちが起こってもやむなしと、個人的には思う。
この国の大多数の人がかれこれ1年以上、自分が感染することや誰かに感染させてしまうことのないよう、できる限り気を付けて生活してきたのだ。「気の緩み」や「人流の増加」だけで今の状況を説明するべきではない。
3度目の緊急事態宣言が出てしまった。商業施設や百貨店はまた休業だ。縮めると「マンボウ」と聞こえる措置には効果がなかった。呼びかけは届かなかったのではなく、響かなかった。国や自治体が伝え方もやり方も変えなければ、窮状はこれからも続いてしまう。