《めてみみ》エコーチェンバー

2021/04/13 06:24 更新


 閉鎖空間で同じ意見の者同士がコミュニケーションを重ね、特定の信念や考え方で凝り固まることをエコーチェンバー現象という。最近はSNSで特定の人物や事象を寄ってたかって中傷、攻撃する事例にも当てはまることがある。

 ある国の企業が、商売をしている別の国で糾弾され、商品やサービスがボイコットされた時もこの現象かと思うことがある。やり玉に挙げられた企業や団体、ブランド自体ではなく、国同士の主義主張の対立や人権などの問題に対する情報量や認識の相違が発端の場合だ。

 H&Mが新疆ウイグル自治区での人権問題に関して「深い懸念」を表明したことに端を発した中国での不買運動も、ネットやSNSを通じてH&Mのスタンスを知った現地の消費者の一部が腹を立て、SNSで拡散したことで、反発感情が増幅し、広がったようだ。

 きっかけが過去に起こった出来事であれ、現在進行中の事態であれ、互いの認識と見解がそもそも違うから、互いの主張がぶつかり、議論は平行線をたどり、溝も深まる。

 エコーチェンバーとは本来、音が長く響くように作られた部屋の意味だ。正しいと思ったことを主張することは大事だが、自分の声をかき消すほど反発の声が大きい時は、残響すら聞こえなくなるまで、口をつぐんでいるほうが良い時代なのかもしれない。


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