《めてみみ》出展の意義

2020/11/18 06:24 更新


 第3回「中国国際輸入博覧会」が終わった。今年はコロナ禍のため昨年とは様相が違った。出展企業は中国に拠点をもつ日欧米の著名企業が圧倒的に多かった。世界500強企業の80%近くが出展し、展示レベルが向上したと主催者側は胸を張るが、本来はより多くの国・地域の企業に中国でのビジネス機会を提供するのが目的だった。

 今年は特殊な事情があったとは言え、残念な気がする。こうした著名な企業を集める傾向は既に昨年からあった。ファッションビジネス分野ではフランスなどのラグジュアリーブランドが昨年から数多く出ている。今年はファストファッションの出展もあった。

 上海市政府の関係者と話をしていたら、「大企業も4級、5級都市の市場調査は行っていないはず。日頃、出会いの少ない都市の人々と接点をもてるのは貴重な機会」と、出展の意義を解説してくれた。出展していたブランドは出店地域を1級都市から2級、3級へと拡大しているし、先を見据えて戦略を練っているはず。

 日本はジェトロ(日本貿易振興機構)が組織した日本パビリオンに多様な企業が出展し、日本商品の魅力をアピールした。ジェトロのような取り組みをしている組織は他になかった。来年の日程は公表されていないが、多くの国・地域の企業が参加できる環境になって欲しい。



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