クラウドファンディングによる応援消費を2回した。1回目は5月。コロナ禍による外出自粛要請の影響でファッションを扱う個店が大都市、地方問わず苦境に立たされていた時、個店を支援したいとの思いから、カジュアルブランド「マスターキー」と卸先であるショップとの共同プロジェクト。
きっかけは取材先の茨城県つくば市の個店「K2アパートメント」の久保田裕一オーナーからの連絡だった。すぐに同ブランドのデザイナー、石橋智弘氏を取材し、「プロジェクトを通じて『作り手』と『使い手』がつながる、ファッション業界の新たな未来を共に作っていこうと思っている」との言葉に共感した。
もう一つは9月。群馬県桐生市のアウトドアと旅をコンセプトにしたセレクトショップ「パーヴェイヤーズ」が地元発クラフトビール作りに挑戦するプロジェクト。店内にブルワリーを設置し、レストランに改装する予定。支援金の返礼品は桐生発のビールが飲める未来チケットなど。桐生に行って小林宏明代表らとビールで乾杯する日が待ち遠しい。
コロナ禍をきっかけに、消費する意味を考えることが増えた。「少しでも社会や困っている人の役に立ちたい」との思いが購買動機の一つとして広がりつつある。ファッション業界でも小さなところから着実に変わってきている。