《めてみみ》家ソト消費の創造

2020/06/12 06:24 更新


 家ナカ消費が注目されている。外食や中食が自炊になり、手の込んだ料理にも挑戦するようになる。手つかずの部屋の整理をきっかけにDIYに没頭し始める。あるいは、オンライン飲み会やダイエットと健康のためのエクササイズにはまる。家で過ごす時間が格段に増えたことにより、生まれた行動だろう。

 こうした家ナカ消費は定着するのだろうか。緊急事態宣言が解除され、従来の出勤に戻った人も多い。一方では、テレワーク主体の勤務を続けている人もいる。「1週間に何日間か出社するような勤務スタイルになるのでは」とある小売業の経営者。出社とテレワークの使い分けが進むとの見方だ。

 都市部の百貨店や商業施設の営業再開後の売上高・客数は、多くが「想定以上」で推移している。自粛反動の消費であり、しばらくすれば落ち着くと見られる。テレワークが一定広がり、都市部の来街者総数が減る可能性があるからだ。もっとも、家ナカが好きな人ばかりではない。

 星野リゾートの星野佳路社長が提唱している「マイクロツーリズム」が興味深い。地元でゆったりとくつろぐような〝小さな旅行〟だ。遠方に出掛ける旅とは違う新たな〝旅〟需要を創造しようとしている。ファッション業界や小売業も、家ソト消費を促すような、新たな余暇時間の過ごし方を提案すべきと感じる。



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