《めてみみ》ある概念の欠落

2019/10/28 06:24 更新


 第2次世界大戦時、米軍のある将軍が「日本という国家は近代戦争というものを理解していない」と述べたらしい。前線の兵士は乏しい装備の中で果敢に戦うが、これを支える後方補給という概念の欠落を評したものだ。批判というよりも、ロジスティクスという概念が日本に欠落している点に驚いたと聞く。

 繊維業界はどうだろう。華やかなコレクション、美しい売り場、企画や営業の第一線は目に映りやすい。一方で、商品を揃え、夜遅くまで仕分け・梱包(こんぽう)して発送する後方部門、さらに販売先や消費者に実際に届ける外部の運送会社の苦悩などがクローズアップされることは少ない。

 深刻な人手不足から物流問題に大きな焦点が当たり、実際の企業決算でも物流経費の上昇が利益を圧迫するケースが目立ってきた。売り上げが伸びにくく、収益の確保が思うように進まないなか、まさに焦眉(しょうび)の課題だ。

 ECの増加はさらに抜本的な改革を要求している。先行企業は、新たな物流センターなどを相次ぎ稼働させているが、企業間物流が中心だった企業はこれからが改革の本番。中期計画などを見ると、EC事業の強化が盛んに強調されているが、規模の拡大に物の流れがついていけるか。EC物流を理解していなかったと、後々評されることのないよう、情報収集や準備に万全を期したいものだ。


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