大手GMS(総合小売業)はかなり以前から衣料品改革に取り組んできた。しかし思うように成果は上げられず、新店や改装店舗では直営の衣料品売り場は圧縮され、非衣料やテナントに置き換わるばかり。フルターゲット、フルラインのGMSの広大な衣料品売り場を見ることは少なくなった。
ユニーが、「ドン・キホーテ」を運営するパンパシフィック・インターナショナルHDの子会社となって半年が経過した。ユニーのGMSの「アピタ」や小型の「ピアゴ」は、ドン・キホーテ流を取り入れた「メガドン・キホーテ・ユニー」への転換を進めている。
昨年2、3月に先行して転換した6店は、売上高が1.9倍、客数は1.7倍になっているという。目立って増えたのはヤング。GMSでは見かけることのなかった層が、売り上げ増を支えている。
従来の主力客であるシニアの来店も減ってはいないとはいうものの、慣れないドンキ流の品揃えや陳列にはとまどいもある。そこで、アピタから業態転換し、先月オープンした鈴鹿店では、アピタ流の衣料品をショップ形式でテナント出店した。アピタを見慣れたシニアにとって、ほっと落ち着く空間。隣接するメガドンキの刺激的な売り場とは対照的だ。
ヤングからシニアまでのニーズを、単一ではなく、異なる業態のタッグで満たす。