「今まで以上に真剣にファッション(衣料品)の提案に取り組む」。11月に開業する渋谷パルコの概要発表会見で、パルコの泉水隆常務執行役は強調した。
衣料消費の低迷が続くなか、衣料品比率を減らし、食などを拡大するSCが増えている。パルコも3月に開業した錦糸町パルコなど、ここ数年で開発した新施設や新館は食や雑貨などの比率を高め、成果を上げている。
新・渋谷パルコも旧施設と比べて食やアート・カルチャー、エンターテインメントなどを拡大、衣料品比率は若干減る。とはいえ、約180店のうち、約100店は衣料品。パルコが得意とする東京デザイナーやストリートカジュアル、高感度レディスやセレクトショップのほか、これまであまり扱ってなかった海外ラグジュアリーブランドや原宿系ロリータなど幅広く揃える。
「東京の多様なファッションは世界で注目されている。衣料品全体が厳しいなかでも、ファッションポリシーが明確なブランドは伸びている。ここを深掘りしたい」と泉水氏。パルコの牧山浩三社長は「本当のファッション好きが満足できる施設が少ないから、ECに奪われる。だから、ファッションを強化した」と話す。ルミネをはじめ、ショップと連携して発信力を高めた施設は衣料品売り上げを伸ばしている。渋谷パルコの挑戦に注目したい。