ついに「プラダ」までもが、との思いを持った。動物愛護団体から激しい抗議を受けてきたプラダグループのファーフリー宣言である。20年春夏レディスコレクションを皮切りに、自社デザインや新製品に動物の毛皮を使わないと発表、在庫はなくなるまで販売するという。
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「グッチ」「ジャンポール・ゴルチエ」「バーバリー」「ジョルジオ・アルマーニ」「ヴェルサーチェ」「マイケル・コース」。この間、様々なブランドがファーを使わないと宣言した。ファーを巡る議論は、今に始まったことではない。パリ・コレクションのランウェーに裸の観客が飛び込み、ファー使用反対を訴えたこともある。
80年代も90年代も、そんなことがあるたびに、デザイナーたちはしなやかに論争をいなしてきた。しかし今回は、もうそれとは違う次元に入ったようだ。
エシカル(倫理的な)やサステイナブル(持続可能な)を求める流れの中で、ファーを使わないという判断をするブランドは増えている。ただ、サステイナブルの考え方ではファーだけではなく、フェイクファーをはじめとする生分解性のない素材の問題を避けて通れない。ファッションショーの会場の前でプラスチック製品をまとってアンチファーを訴える人たちを見ると、その製品は本当に環境に優しいのかな、と問いかけたくなる。