《めてみみ》ほったらかし資源

2019/05/13 06:24 更新


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かつては有人だった小和田駅の駅舎跡

 JR飯田線の小和田駅(浜松市天竜区)は周囲に民家はなく、車が走れるような道路も見当たらない。普段は乗降客のいない静かな駅なのだが、「秘境駅」として注目されるようになり、駅に降り立つ人が増えた。見どころは、朽ち果てた駅舎や製茶工場の廃屋、草むらに転落したまま捨てられた三輪トラックの「ミゼット」など。見捨てられた物が、ここでは観光資源として見せ場を作っている

 愛知県の山間の町、設楽町では、過疎と高齢化が進み放置された茶畑が随所で目立つ。茶畑はほったらかしにされると花が咲き、実をつける。結実すると木の栄養が実に回り、茶葉の価値は落ちてしまうから、手入れの行き届いた茶畑では茶の花や実を見かけることはないが、ほったらかしの茶畑では毎年秋にたくさんの実をつける

 ところが、それを逆手にとり、この実に着目し、地域起こしにつなげようと搾油所が開業した。茶実を搾ると油が採れる。上質な天然オイルとして人気になり、ほったらかしの茶畑は、〝ほったらかし資源〟に変身した

 長年、誰も住んでいない家は倒壊の恐れがあり、人の手の入らない荒れた山は害獣のすみかとなることもある。人間の生活に害をなすような家屋や田畑、山林は大きな問題だが、放置されたものを別の視点で見直すと、新しい価値が見えてくることがある。

小和田駅の観光資源、捨てられたミゼット

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