《めてみみ》目的を明確にした出店を

2019/03/20 06:24 更新


 最近、雲南省や新疆で日本の服が売れていると聞くことがある。どちらも行った経験が無いため、実感が湧いてこない。上海市内でも郊外だけでなく、今も中心部で新たな商業施設が次々とできている。

 知り合いからウルムチで新たにできたセレクトショップの写真を見せてもらった。とても奇麗で上海市内にある有名な百貨店と何ら遜色(そんしょく)のない内装で少し驚いた。地方都市へ行くと、地下鉄工事現場を見かける機会が増えた。都市の交通インフラ整備と合わせて新都心を新たに作る場合も多い。こうした都市化が中国全土で行われ、新たな商業施設が日々増えている。

 大規模な都市開発は内陸部だけではない。2月に政府が発表した「粤港澳大湾区」(グレーターベイエリア)開発計画は発展が進む広東省、香港、マカオを世界の最先端地域に引き上げようとする意欲的な内容だ。伝統的産業と言われる繊維産業の関係者も競争力強化の好機ととらえている。香港のある流通業も「富裕層が増えるので出店を考えている」と話していた。

 宝飾品を販売する日系企業の総経理は「百貨店を減らしラグジュアリーモールへの出店を増やす」方針という。候補の施設は中国国内で約30。ブランドイメージを保つためと理由を説明する。選択肢は増えているが、目的を明確にし出店場所を選ぶことが重要だ。



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