SCの開発ペースが鈍化している。日本ショッピングセンター協会によると、今年に開業するSCは40施設前後で、昨年の48施設を下回る見込み。16年から3年連続で前年の開業数を下回る。01年以降で、開業数が3年連続で前年を下回るのは、リーマンショックが発生した08年から10年以来だ。
国内のSC総数は昨年末で3217に達した。地域によって違いはあるとはいえ、国内市場は飽和状態で、競合が激しい。開発ペースの鈍化はこの反映。イオンモールが新施設の開業よりも既存施設の増床・改装に力を入れているのもこの表れだ。
一方で、施設は大型化している。1施設当たりの平均店舗面積は01年の1万1760平方メートルから、17年は1万6329平方メートルに拡大した。多くの施設が幅広い客層を取り込むため、食やサービス、娯楽施設などファッション・雑貨以外の業種を増やしているのが大きな要因だ。
ECが拡大し、リアルの場としての価値が問われるなか、今後も従来型の物販の比率を減らし、「時間消費」機能を強化するSCは増える。
SCを主戦場とするファッションビジネス企業は出店場所が限られ、新たな成長戦略が求められている。そのためには、ECにシフトするだけでなく、ディベロッパーと連携し、需要を拡大するための施策に取り組まなければならない。