《めてみみ》隙間はできたが…

2018/07/06 06:24 更新


 日本など11カ国による新たな環太平洋経済連携協定(TPP11)の関連法が参院本会議で可決、成立した。参加11カ国のうち6カ国が批准後、60日で発効するため、早ければ年内にも世界の貿易額の15%を占める自由貿易圏が誕生する。

 TPPの枠組みから米国が離脱し、日本の繊維関連企業のTPP11に対する期待は大きく後退したが、一方で胸をなでおろした企業もある。生産を増加中のベトナムで、米国向けをあてにしていた生地や縫製の生産スペースに少し空きがでたためだ。

 しかしTPPがなくても米国向けは引き続き好調で、加えてベトナムはEUとのFTA(自由貿易協定)発効を控え、「縫製能力は再び限界に近付いている」。作りたい時に作れない状況にならないよう、商社などはベトナムで縫製スペースの確保を急ぐが、日本向けは「小ロット中心でもうからない」と人気がない。

 「在庫を抱えたくない」「適時に適品を適価で欲しい」。国内の衣料品販売が伸び悩む中、こうしたニーズは心情的には理解できるが、中国での生産も課題が山積みで現実は厳しい。

 ベトナム繊維業界はEUとのFTAやTPP11の発効を機に輸出をさらに増やそうと設備投資を強め、今後も縫製能力は拡大する。しかし彼らが狙うのは大量発注が見込める欧米向けだ。決して日本ではない。


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