《めてみみ》外から見た日本

2018/05/30 06:00 更新


 仕事で上海から一時帰国した。久しぶりの東京でのラッシュ。いつもの様にエスカレーターの右側に立って待った。ピーク時で左右の列に人が隙間なく並ぶ。前の人が5段ほど降りたので、ほんの少し間をおいて続こうとした瞬間、後ろから女性の鋭い声で「前!」という言葉が聞こえた。1秒あるかないかの間を、一語でとがめられたのだった。

 日本へ旅行した中国人が、渋谷の喫茶店に入ったら並べてあった二つのテーブルの高さが違っていたと写真付きでメールを送ってきたと、日本人の友人から聞いた。彼は「グローバル化したとしても質が高くなるとは限らない。最近、日本のサービスは質が低下しているのでは」と日本を心配していた。

 外国で暮らすと、日本人のマナーや店のサービスの良さを褒められる機会が多い。そのためか、外国で暮らす日本人は日本への期待度が思いのほか高くなっている気がする。私自身が日本に一時帰国した時にもしばしば感じる。

 今回の駅での違和感が、外国で暮らす日本人のギャップなのか、それとも外国人が増える日本が少しずつ変化しているのか分からなかった。帰国時に見たテレビで、日本でタクシードライバーをするエジプト人が「子供を日本の学校へ入れて日本の礼儀作法を学ばせたい」と、日本語で話していたのが妙に印象に残った。




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