SHIBUYA109エンタテイメントは28日、東京・渋谷に新商業施設「マグネット・バイ・渋谷109」の第1期を開業する。
メンズファッションビル「109メンズ」を19年春までに段階的に改装し、食や音楽などのエンターテインメントを発信、体感できる機能を取り入れる。衣料品の比率を大幅に減らし、メンズ以外のファッション、雑貨などに幅を広げる。若い男性の嗜好(しこう)が変わり、売り上げが低迷していたことが背景。「従来のモノ主体から時間消費機能を高めることで、外国人客を含めた幅広い来街者が集い、楽しめる場として活性化したい」と木村知朗社長は話す。
モノがあふれ、ECが浸透するなかで衣料品比率を減らし、コト消費に対応する商業施設が一段と増えている。アトレはJR土浦駅ビルをサイクリングリゾート施設に業態転換した。
逆の動きもある。イオンモール甲府昭和は昨年11月に増床し、ファストファッションを中心に衣料品を拡大した。売り上げは好調だ。「新宿まで行かなければファストファッションが買えなかったという地元客のニーズに対応できた」と吉田昭夫社長は言う。
モノからコトへのシフトは時代の流れで、対応は必要。ただし、それだけが商業施設の活性化策ではない。商圏の特性と中心顧客のニーズをしっかり見極めることが重要だ。