《めてみみ》明るさと危機感と

2018/01/11 04:00 更新


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 新年の賀詞交歓会では経営トップの顔に明るさが戻った。株高が続き、日本経済は緩やかに回復、欧米、中国、東南アジア諸国の経済も堅調に推移していることが背景だ。今年の見通しを個別に聞く中でも、「悪い、悪いと言うだけでは社員の気分が滅入るだけ。もちろん明暗はあるが、今年は明るい部分に光を当てたい」との発言が目立った。

 本紙は1月1日付で「繊維・ファッション関連企業の経営トップアンケート」を掲載した。18年のファッション消費見通しに対し、7割以上の経営者が「横ばい」を予想し、「落ちる」(全体の約17%)が、「伸びる」(約11%)を上回った。今秋冬やや消費の回復がみられるものの、足元の業績は一進一退が続く。決して楽観視していないことがわかる。

 「世界経済は堅調に見えるが、大国の政策の不安定さや地政学的リスクの高まり、金融緩和の見直しなど為替が大きく動くリスクは至るところにある」「浮かれぎみの時こそ危ない」と気を引き締める声も多い。

 世界での競合が当たり前になってきた。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)活用で飛躍的な成長をみせる米国や中国企業に「遅れまい」とするトップの危機感は強い。今が転換点であることは間違いない。何をどう取り入れ、どのように変わるのか。しっかりと見極めたい。



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