中国消費者協会は、11月11日「独身の日」に販売された商品のうち8割近くが実は値引き無しだったという調査結果を公表した。報告書によると、セールの前後1カ月間に価格動向を追跡した539品目のうち、78・1%は、セール日と同額か安い価格で売られていたという。
中国では商業施設でのセールは常態化している。そのため消費者の価格への不信は大きい。同じ物ならネットが安いという考え方も一般的なものだ。ただ、ネットの世界もリアルと同様に値下げ競争は激しい。
中には当日値段を上げて値引き率を高くするような悪質な事例もあったようだ。また、事前の手付金を払い割引をする方法も、手付金を払う日によって総額が変わるなど複雑なものだった。
こうした状況を知った上で、ゲーム感覚で買い物をしている若い世代がいる一方で、独身の日には買い物をしないという人たちもいる。欲しい物を欲しい時に、できるだけ安い値段で手に入れるという堅実派だ。
協会によれば、昨年より悪質な事例が増えたと指摘している。ネットは中国人にとって非常に身近なものになっている。携帯電話で簡単に支払いができることもあり、ちょっとした日用品までネットで買う頻度が増えている。こうした新たな市場を健全に発展させるために、売る側のモラルが重要になっている。