《めてみみ》敢えて、ヒジャブ

2017/11/09 04:00 更新


画像はイメージです

 内需が拡大するインドネシア。労働力増加率が人口増加率よりも高い人口ボーナス期が2045年ごろまで続くと見られる。日本への関心も高く、最近では食品メーカーの進出が盛ん。うどんやすき焼きはもちろん、空港に某シュークリーム店まで出ていて驚いた。

 経済成長とともにファッションへの関心も高まるのは当然か。先月のジャカルタファッションウィークには、化粧品や洗剤、携帯電話メーカーなど消費財関連の多数のスポンサーが参加した。とくに頭髪や体のシルエットをあらわにしないムスリム女性のファッション「モデストファッション」への盛り上がりは年々高まり、人気デザイナーともなるとフォロワー数は約480万人にも及ぶ。

 比較的寛容なイスラム教国であるインドネシアでは、ヒジャブを身に着けていない人も多い。しかし、最近では「清楚(せいそ)なイメージを表現できる」として身に着ける若い女性が増えているという。インドネシアで見かけるヒジャブは明るい色やデザインなど種類も様々だ。

 しばしば国際的に女性抑圧の象徴として批判されるヒジャブだが、少なくともインドネシアではそうではない。宗教的なアイコンすらもファッションとして取り入れる様は他の国や文化圏の若者となんら変わらず、むしろファッションを楽しむ象徴のように見えた。



この記事に関連する記事