あるメンズアパレルは、販売現場で新入社員と入社3年目社員とのマンツーマン教育を充実している。店長だとジェネレーションギャップがあって話しにくいことがあるため、入社3年目ぐらいの先輩の方が、上との橋渡し役として親しみやすいからだという。
まだ会社になじめていないため新人は孤立感を味わうことが多い。そのため、社員間のコミュニケーションを深める支援も制度化している。入社3年目の社員と新人とで食事や飲みに行き、息抜きしながら公私にわたり悩みを相談したりする。仕事の話をする必要もないらしい。メンタルヘルス的な役割もあり、リポートを提出すれば2人で7000円以内(2カ月に1回)の補助が出る。
別のメンズ単品専業では社員の洋服代を年間6万円支給している。それで自社の服を買わされてはあまり意味がないが、一人ひとりがトレンドを体感し、感性を磨くために使われるなら有意義だ。服に自信が持てたら自分自身を売り込むことにもつながる。
「働き方改革」が叫ばれ、各企業で働きやすい環境作りや人材育成に力を入れる企業が増えることは好ましい。だがトップダウンで制度だけ変えても、現場で働く人の目線で改革していかなければ、モチベーションを高め企業の業績を上げるという好循環は生まれない。