インテリアの「イケア」から会員限定の案内が届いた。イケアは8月下旬から商品の値下げに踏み切り、イオングループもPBの一部を値下げした。
アパレル製品OEM(相手先ブランドによる生産)主力の繊維専門商社のトップは「コストを抑えた商品へのニーズがさらに強まり、チキンレース状態だ」と嘆く。一方、生産コストの上昇や環境対策による規制強化で「中国生産は限界に近づいている」。東南アジアなどへの生産シフトが再び強まりそうだが、ロットの大きさやQR対応の難しさ、使える素材の少なさなどすんなりとは進まない。
どこで作るにしてもQRとコスト低減を最優先して「良い商品」などできるわけがなく、「安くてそこそこ」の商品が増えるだけだ。しかも「作れない」状況がすぐそこに迫る。
日本向けOEMで活況だった中国・広州の機能が見直され始めた。製品卸市場で雑貨やアパレルの現物製品の買い付けが急増している。つまり「作る」から「仕入れる」に一部転換したわけだ。物作りが難しくなる中で現物仕入れが選択肢に入るのは当然の動き。同時に日本アパレルからの仕入れをさらに減らすこともありそうだ。
QR、コスト低減を追求するチキンレースの先に何が待っているのか。強者だけが生き残れる土俵にわざわざ中小企業が上がる必要はない。