《めてみみ》競争から共存へ

2017/08/17 04:00 更新


 神奈川県の海老名駅東口のSC、ビナウォーク(運営・小田急電鉄)と西口のSC、ららぽーと海老名(同・三井不動産商業マネジメント)が11日から、2施設内の飲食店を対象にしたスタンプラリーを開始した。2施設の合同販促は初めてだ。

 ビナウォークは02年に開業。15年10月にららぽーとがオープンするまで、近隣に競合する大型SCがなかった。ビナウォークにとって影響は大きく、ららぽーとの開業以降しばらくは売り上げが減少した。

 しかし、今年2月から売り上げが復調し、7月までの全ての月で増収を達成した。ららぽーと対策として実施した改装と販促の成果に加え、「ららぽーとの開業によってエリア全体に活気が出たのが要因」という。

 海老名駅周辺は人口の増加で、今後も大型マンションの開発が続く。一方で、近隣の座間市にイオンモールが来春に開業する予定で、「エリア間競争」が強まる。ビナウォークとららぽーとの合同販促は商環境が変化する中で、「互いに協力してエリア全体をさらに盛り上げる」目的で企画した。

 SCの数が増え続け、大都市だけでなく、郊外・都市近郊でも至近距離で大型施設が激突することが珍しくなくなった。自施設の強みを磨きながら、エリア全体を活性化し、近隣他施設といかに共存するかがますます重要になってきた。



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