バーチャルイベントへの参加や、VR(仮想現実)プラットフォームへの出店、メタバース上での催しの企画、バーチャル試着の機能装備など、3D・CGで構成されたVR空間上の取り組みがぐっと増えてきた。以前はPR効果を期待してのトライアルといった関わり方が中心だったが、この間、専門部署を設け、さらに一歩踏み込む企業が出てきている。ただし、現時点で「キャズム越えには至っていない」との認識は共通。即、大きな収益につながるわけではないが、ブレーク前夜とみて知見を積み上げ、事業化につなげる狙いだ。
J・フロントリテイリング リアルとの二つの軸で グループ全体でドライブかける
J・フロントリテイリングは3月、メタバース・ウェブ3プロジェクトを新設した。これまでも事業会社ごとに様々な取り組みを重ねてきたが、「グループ全体でドライブをかけるため、組織を作った」とデジタル推進部専任部長で同プロジェクト担当の洞本宗和氏。「従来の販促、ブランディングの領域でなく、新たな事業にし収益化したい」とする。グループ傘下でプロeスポーツチーム「スカーズ」を運営するゼノスや、出資するサイキックVRラボほか、外部とも連携し動いている。
この間、人気ゲーム「アイデンティティⅤ第五人格」とスカーズが協業し、ゲームの世界をリアルに拡張した催しをギンザシックスの蔦屋書店で実施したほか、大丸東京店で開催した「AKB48の大衣装展」のスピンアウト企画をメタバース上で有料で企画。グループとしては渋谷パルコ劇場でスカーズの試合のパブリックビューイングも実施し、オンラインゲーム事業にも積極的だ。
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