【変わるスーツ㊥】生産のIT化 日本流の未来型工場へ

2018/05/04 04:45 更新


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《ファッションビジネス革命前夜 変わるメンズスーツ㊥》生産のIT化 日本流の未来型工場へ

 消費者との接点がデジタル化し、生産現場もスマートファクトリー化が求められ始めた。世界的なオーダースーツブームを支える生産拠点である中国では、政府がオーダースーツ生産をIT産業ととらえ、大規模な投資が続く。これからは年産150万着規模という巨大な工場が増える見込みだ。最新鋭の設備を整え、完全な自動化生産の体制を目指しているという。

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次の一手へ投資

 日本ではこうした最新設備を導入できる縫製工場が限られるが、CAD・CAM(コンピューターによる設計・生産)を駆使しカスタマイズされたスーツを量産できるイージーオーダー(EO)で、日本流スマートファクトリー化が始まっている。

 スーツ工場が集積する青森県での試みが顕著だ。ビッグヴィジョンはグループの青森工場(第1、第2工場合わせ従業員約250人)は来年夏に隣村の廃校になった土地(約1万9800平方メートル)に移転し、スマートファクトリーに生まれ変わる。「縫製作業は複雑な工程のため完全自動化は難しいが、特殊ミシンによる工程ごとの自動化は可能。IT化によってヒューマンエラーがなくなり効率化も進む」。この改革による2週間納期の厳守は、国内工場が生き残るための生命線だ。

 「次の一手へ投資ができなければ未来を築けない」。センチュリーグループ(生産会社センチュリーテクノコア、販売会社センチュリーエール)は青森の自社縫製工場のスマートファクトリー化に着手した。生地の運搬やICタグを活用した在庫管理など間接作業の自動化により、従業員は縫製などに集中し、生産効率を向上させる狙い。森本尚孝社長は「ITの活用は店頭から生産、物流までの在庫管理だけでなく、労務管理まで一貫システムにすることで会社全体の最適化が不可欠」と強調する。人手不足が深刻になる中、働きやすい職場環境作り、優秀な人材の確保につながるはずだ。

スマートファクトリー化を目指すセンチュリーグループの青森工場

海外生産に活路

 創業95年の佐田は宮城県と中国・北京に自社工場を持ち、日産500着、年間12万着のEOスーツを生産する。通常、特に中国・北京の自社工場でCAD・CAMを駆使し、リーズナブルなオーダースーツを生産できるのが強み。初回のお試しで1万9800円から自分だけの1着を仕立てられるため、若い世代の取り込みに成功した。

 オーダースーツは需要過多の上に国内の生産能力に限界があるため、海外に活路を見いだす企業もある。オンワードパーソナルスタイルの「カシヤマザスマートテーラー」は中国・大連で生産している。来年初めにはITシステムと連動したスマートファクトリーを立ち上げ、現在の2倍以上の生産量を見込む。新たな物流体制も整え、大連の工場から顧客の自宅に直接配送する圧縮パック梱包(こんぽう)「パックランナー」が可能にした「1週間納品」は大きな武器になる。




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