マツオカコーポレーショングループは、ベトナムの新工場で感染対策防護服などの中核拠点を整備する新プロジェクトを始める。経済産業省が海外製造拠点でのサプライチェーン強じん化に向け設備投資を支援する「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に採択され、新たに必要となる設備投資の支援を受ける。
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新型コロナウイルスの感染拡大で感染対策防護服などの需要が逼迫(ひっぱく)、平時から備蓄が求められている。安定供給できるようベトナム北部ゲアン省で昨年11月に設立した連結子会社、アンナムマツオカガーメントのアンナム工場で、早ければ来期から生産を開始する。
現在アンナム工場は衣料用の試験工場が稼働中。第2期、第3期と工場を拡張する予定で、今回の新プロジェクトもその中に含まれる。
工場敷地内に新建屋を建設。最先端のクリーンルームや需給動向に応じて急速な生産拡大要請にも対応可能なIoT(モノのインターネット)生産設備を導入する。防護服の受注がない時期は、通常の衣料品縫製加工ラインとして使えるよう設備設計を工夫する。第2期、第3期合わせた投資額は約30億円。
同グループは、医療介護分野の衣料品事業に進出し、今年新型コロナ感染対策として日本政府からマスク生産を受注。加えて最近、中国浙江省の子会社で民間向けにアイソレーションガウンなどの防護服の生産を始めた。ただ生地調達、製品生産が中国のみのため、ベトナムで生産拠点を整備してサプライチェーンを多元化する。