服飾資材卸の増見哲(大阪市)は、本社別館の1階に直営店「999+1」(スリーナインプラスワン)をオープンした。高級手芸品から自社開発のかっぽう着を中心とする生活雑貨まで揃え、手芸ファンや専門学校生、外国人観光客などBtoC(企業対消費者取引)向けの発信を強める。
【関連記事】服飾資材卸の増見哲 着脱容易なボタンを発売
売り場面積は約110平方メートルで、手芸品と雑貨で空間を半々に区切った。手芸品は主力とする580色のファスナーやレース、リボンをはじめ、貝や樹脂、金属のボタン、ビーズ、ファンシーヤーンなど高級感のある商品を中心に集積した。特にファスナーは、YKK代理店の強みを生かしてオーダー加工にも対応する。また、レースや貝ボタンには同社のオリジナルカラーも加えた。
雑貨は、天然繊維のかっぽう着「カポック」や生地の無駄を省いた「割烹着オーセンティック」(KA)をメインに、カゴバッグや洗えるメリヤスのルームシューズ、キッチン用具などもセレクト。ショップの近隣に増加するインバウンド(訪日外国人)需要を意識し、日本的でていねいな暮らし方を提案する。秋冬はファッションとして着こなせるアラン編みのアームカバーも販売する。
その他、障害者支援のTシャツや折り畳み傘、ペーパーバッグ、ハンガーなども扱う。
手作りブームやSNSの普及を背景に「物作り人口が増えており、既存の手芸店にはないプロ向けの商品をリーズナブルに供給したい」(増見喜一朗社長)として出店。今後も中小資材メーカーや作家、デザイナーとの連携によるアイテム拡大に力を入れながら軌道に乗せ、さらに首都圏や関西圏での多店舗化も目指す。