パンデミック(世界的大流行)前のようにパリ・コレが終わるとアジアにランウェーが移った。10月11~22日(実際には17日までは連日で22日は飛び石、さらに11月14日にショーも)、台北でタイペイ・ファッション・ウィーク(TPEFW)が開催された。メイン会場となったのは引き続き松山文創園区。ランウェースペース、クラフトコラボ、卒コレコンペ、そして紡拓会による展示会と四つのホールを使用、前回よりも規模が若干大きくなったように思えた。
(ライター・益井祐)
毎シーズン、TPEFWはテーマを掲げており、それが反映されたのがオープニングショーだ。23年春夏の台湾先住民、23年秋冬の伝統工芸士に続き、今回はユースカルチャーだった。
「ア/クリプシス」と「.67アロー」は若いダンサーを起用した。「プラトゥ」はガーメントにライブスプレーペイントを施し、ストリートアートを落とし込んだ。また「ジャスティンXX」はAI(人工知能)との会話の中で生み出した、架空の漫画家Yue-Wanとその作品「獣鎖精神病院」をコレクションに仕立てた。
もう一つの企画ショーはコンテンポラリーアルティザンとのコラボレーションだ。パンデミック前はロンドンで作品を発表していた「ジェイミー・ウェイ・ハン」はメタルクラフトを取り入れた。また「シャオ・イェン」はストーンアート、実際に小さなパネルにした石でベストを飾り、その風合いやボリュームをポンポンのようなドレスで表現した。