【パリ=松井孝予通信員】「メゾン・マルジェラ」のアーティスティックディレクター(AD)、ジョン・ガリアーノの退任が12月11日、明らかになった。契約は10月末で終了し、更新されなかった。称賛された1月のパリ・オートクチュールでのショーがメゾン・マルジェラにおけるガリアーノの最後となった。次のADはまだ決まっていない。
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ガリアーノは、過去の発言により「クリスチャン・ディオール」を離れた後、4年間の沈黙を経て14年にメゾン・マルジェラのADに就任。この10年間でメゾン・マルジェラを再び輝かせるとともに、自身の名声を回復した。ガリアーノは、メゾン・マルジェラを擁する伊OTBのレンツォ・ロッソ会長に向け、「マルタンが築いたこのメゾンでADとして迎えてくれ、私は最も大きな、そして最も貴重な贈り物をいただいた。それは、私が声を失っていた時に再び創造の声を取り戻す機会を与えてくれたことです」と感謝を述べた。ロッソ会長は、「この10年間、彼とメゾン・マルジェラのチーム、そしてグループの全リソースが一丸となり、この唯一無二のブランドの基盤となる章を共に築き上げた」と称えた。
後任候補として、OTB傘下「ディーゼル」のクリエイティブディレクターであるグレン・マーティンスの名が挙がっている。一方、ガリアーノは今後について「時がくればすべてが明らかになるだろう」と自身のインスタグラムに投稿。ADが空席のままの「シャネル」や「フェンディ」に移るとの憶測が早くも飛び交っている。