毎日新聞社は10月23日、「24年(第42回)毎日ファッション大賞」の表彰式を都内で開いた。年間を通じてファッション分野で優れた成果を上げた人に贈られる大賞は、「メゾンミハラヤスヒロ」デザイナーの三原康裕さんが受賞した。
三原さんは多摩美術大学在学中に独学で靴を作り始め、96年に「ミハラヤスヒロ」を立ち上げた。05年にミラノ・ファッションウィークでデビュー、07年からパリ・ファッションウィークで発表してきた。自身のクリエイションを続けながら、若手の育成に力を入れてきた姿勢が評価された。
三原さんは、「僕自身は当たり前のことをやってきて、大それたことはしていません。若者の育成も、困っている人がいるから助けたい、ただそれだけです。大賞の受賞は、30年近くの間にお世話になった方々に感謝の気持ちを伝えるいい機会になりますし、一緒に働いてきたスタッフの功績と思って、頂きました」とあいさつした。自身が今後、挑戦したいこととして「アートをやりたい。ファッションビジネスとか今までのキャリアを捨て去ったところで、純粋に表現することをやってみたい」と話した。
新人賞・資生堂奨励賞には「ハルノブムラタ」デザイナーの村田晴信さん、鯨岡阿美子賞は日本ファッション・ウィーク推進機構前理事長の三宅正彦さんが選ばれた。
村田さんは「日本人の美意識と、留学して働いたイタリアの職人技術に対する敬意を持った理念をミックスし、新しいラグジュアリーの形を目指したい」と話し、表彰式の後には、20歳のころに作ったルックを含むブランドの集大成のショーを行った。