9月下旬に開かれた26~27年秋冬向け国際皮革見本市リネアペッレは、革の本質的な風合いに立ち返るトレンドが広がった。世界的に景気が悪化するなか、欧州メゾンを筆頭に上質なベーシックを求めていることが背景にある。薬剤や染料の使用を控えて環境負荷の低い物作りを志向する企業も増えている。
(須田渉美)
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加工の少ない定番
ベーシックを象徴する質感として「ナチュラル」「ビンテージ」がキーワードになった。
伊インカスが靴用途で推すのは、ベジタブルタンニンなめしで素上げに近いベビーカーフ。「あまり加工をしていない、自然な状態」だが、クラシックな雰囲気をしっかりと残している。

同様に靴用途に強い仏デプイも「クラシックで長く使える革へのニーズが高まっている」として、しっかりと厚みのあるカーフを柔らかに仕上げ、オイルを少なめにしてマットな風合いにした。黒、ネイビーの需要が高い。一部の欧州メゾンで「よりケミカル成分の少ない革へのリクエストがあり、20年ほど前に供給していた革に近い手法で作った」という。
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