1828年9月9日は、トルストイの生まれた日です。レフ・ニコラエビッチ・トルストイがロシアの文豪であるのは言うまでもないでしょう。『戦争と平和』は代表作とされています。サマセット・モームは世界十大小説のひとつに挙げています。『アンナ・カレーニナ』もこれまでに何度も映画化されてもいるほどです。
1910年11月10日ごろ、82歳のトルストイが一人で家を出た。その結果、肺炎をおこして世を去っています。11月20日に。
トルストイはロシア貴族の家柄に生まれています。父は伯爵。使用人が300人からいたという。『青年時代』に父の姿を描いています。「オリーブ色の燕尾服に、すそに革ひものついた流行のズボン…」。これは父の着こなし。19世紀のズボンには、ストラップが付いていたのです。靴を履いた後で、裾のストラップを土踏まずを通して留めておいた。ズボンをしっかり伸ばしておくために。(服飾評論家・出石尚三)