24年春夏レディスシューズ 軽やかで変化に富んだスニーカー

2024/01/16 15:00 更新


 国内外のレディスシューズの今春夏向けは、軽やかなテクスチャーやクラフトタッチのディテールなど、変化に富んだスニーカーが目を引いた。活動的なアクセサリー感覚のフットウェアへと進化している。

(須田渉美)

【関連記事】24年春夏レディスシューズ シンプル、ディテールや異素材で遊び心

涼しそうな意匠

 ボリューミーなソールは継続トレンドだが、涼しげな意匠に工夫が凝らされる。

 ユニークな立体形状のソールが特徴の「グラウンズ」は、成型ニットのアッパーをメリージェーンのようにカットアウトし、ガーリーなムードで解放感を出した。継続モデルの「ムーピー」をベースに、底の一部には小花と小鳥をカメオ風に造形したパーツを、繊細な表情を作るアクセントとして加えた。

グラウンズ

 異素材のコントラストが魅力の「ベジ」は、ランニングスタイルのスニーカーをフェミニンに見せる。曲線が入り組んだモチーフに沿ってカットアウトし、メッシュをレイヤードして素足をのぞかせる。清涼感があり、パープルなどの色味を帯びた肌がクールな女性像を感じさせる。

ベジ

 「ランバン・オン・ブルー」は、2本取りしたひもを編んだメッシュでスニーカーやサンダルを揃えた。カラーひもとホワイトのひものコントラストが、素肌にグラフィカルな陰影感を生む。シンプルなパンツの着こなしを都会的に見せる一足になりそうだ。

ランバン・オン・ブルー

パープルやグリーン

 トレンドカラーのパープルやグリーンを取り入れた配色が目立った。

 フランスの「アルシュ」は、モノトーンをベースに発色の美しいレザーを重ね合わせたスニーカーを充実した。ジオメトリックにクロスしたモチーフをネオプレンのスリッポンにレイヤード。レースアップのディテールを表にしながらイージーに着用できるスタイルを提案する。屈曲性の高いソールも使い足の動きに合わせたフィット感を両立している。

アルシュ

 イタリアの「デイト」は、人気のシリーズ「フーガ」で、アッパーを一段と細かいカットで装飾した新モデルを出した。ペールグリーン、ピンクゴールドなど女性らしい差し色とともに、有機的に連なるモチーフを描く。スポーツテイストに止まらない、グラフィカルな繊細さの映える一足に進化した。

デイト

 フィンランドの「カルフ」は、日常使いの定番モデルを軽やかな色のコントラストで新鮮味を出した。80年代のアーカイブにヒントを得たソールを使う「メスタリ・コントロール」には、パステル系の補色を取り入れる。レトロな魅力を持ったスタイルだが、さっそうとした印象へと洗練させた。

カルフ

進化する定番

 ベーシックスタイルをアップデートさせる傾向も見られた。 

 「メゾンミハラヤスヒロ」はクラシックのスタンダードを再解釈するスニーカーで、バスケットシューズをポインテッドトウへとデフォルメした。ストリートスタイルの定番を女性らしいフォルムで見せるアプローチだ。履き心地の良さを配慮した足幅のある形状で、本革を使い、クリーンなムードで見せた。

メゾンミハラヤスヒロ

 スペインの「カンペール」は、95年生まれの象徴モデル「ペロータス」をアレンジした。シューレースホールの土台のパーツ、トウの切り替え、サイドに入れた直線のステッチなどのディテールを、手描き風のステッチで表現。ミニマルで遊び心を感じさせる、相対する要素を併せ持つデザインに仕上げた。

カンペール

 イタリアの「マイマイ」は、ハンドクラフトの装飾に着目した。ベーシックなバスケットシューズ型の切り替えをブランケット刺繍で装飾し、女性らしい繊細なスニーカーへと変容させた。大人っぽさを感じさせるベージュの刺繍のほかに、パステル系の3配色の刺繍でポップに見せたタイプもある。

マイマイ


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事