韓国・東大門のアパレル製造・販売550軒の企画を一堂に集めるネット卸サイト「デザイナータウン」が17年1月に始動する。デザイナーを抱えて最新トレンドを即時、反映する韓国メーカーのサンプルを多数ネットに上げ、実需対応と安定品質を求める日本全国の小売店からオーダーを受ける。
デザイナータウンを主導するのは、国内アパレル企画のツインクル(東京、朴景澤社長)。日本市場は低価格志向と品質重視も強まっているが、供給メーカーが減少し、質の悪い商品が流入する状況もある。企画から生産までの期間も長期化し、その結果、特にレディス物はトレンドが合わなくなるなど、仕入れと売り上げの両方で苦悩する小売店が増えている。
韓国・東大門のアパレルメーカーはデザイナー2、3人を抱え、旬のトレンドを盛り込んだサンプルを2~3週間で仕上げる早さが売り。品質と旬のトレンドの両立を求める日本の小売店と、韓国・東大門のメーカーとのマッチングを狙う。
事業には、ウェブ開発、撮影、物流などの韓国4社が出資。全体で80人が関わり、うち12人は東大門のナイトマーケットを回ってサンプルを集め、撮影後に即画像を上げる。サイトに上がる商品サンプルは、1週間で約2800枚、月1万枚を予定。中心となる商品の卸価格帯は2万㌆(約1950円)。
朴社長は日本に在住し、雑貨と洋服企画・販売会社を運営。長く韓国メーカー、日本の有力ショップと取引してきた。日本と韓国をつないできた実績で、500軒超の韓国メーカーとデザイナータウンへの協力を得た。
「日本の地方小売店に元気になってもらうことが第1の目的。IT(情報技術)を駆使した新しい仕組みのため、小売店は海外仕入れの手間や輸入手続きなどが省ける。中国に価格で勝てない韓国メーカーにとっても、品質とトレンドで日本の小売店開拓を支援したい」という。
サイト稼働は来年1月20日の予定。日本では約6000社との取引を目指す。日本向け卸が軌道に乗った後には、韓国の一般消費者に日本商品を販売する事業に広げ、ECモール化を進める。