甲南女子大学(神戸市)の学生らが地場産業や地場産品の魅力発信を目指して、オリジナル柄の播州織を使った衣服や小物などを制作した。今後、大学内外でのイベントで作品を披露し、播州織のPRにつなげる。
(藤浦修一)
「播州織魅力発信プロジェクト」に取り組んだのは、同大学人間科学部生活環境学科衣生活ゼミ3年生。環境や防災、ジェンダー、地場産業など様々な社会テーマで、衣生活の観点から研究、制作活動に取り組んでいる。その一環で伝統技術の継承などを課題とする地場産業、地場産品も授業で学んでいる。
今回は、先染め織物の播州織産地で玉木新雌(西脇市)の生産現場を訪問し、各工程の見学や産品の調査も実施した。これを元に学生が産地にちなんだ図柄を考案し、事業連携している兵庫県立工業技術センター繊維工業技術支援センターで織物を試織し、衣服、小物の制作を行った。
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学生が考案した織物柄は8点。図案は、西脇市の市章や市の花であるシバザクラ、日本のへそ公園の渦巻き、市内を走る電車の色などをモチーフにした。地元大学の若い女性の感性を発揮し、若い世代が身に着けたいと思える柄作りを意識したという。
参加した学生からは、「工場の工程をみて、職人の方のデザイン、色や製品へのこだわりを感じた」「柄作りの工程で、思っているのとは違った色が出たりして苦労した。服を着ているだけではわからないことが学べた」などの感想が聞かれた。
同ゼミでは、「地域社会や地場産業を学び、経験することは、社会に出た時のキャリアにつながる」(三宅肇教授)として、今後も取り組みを継続、発展させる考え。
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