小松精練「オニベジ」ポリでも実現

2015/03/13 06:32 更新


 小松精練は、タマネギの外皮を活用した天然色素による合繊加工「オニベジ」で、新たにポリエステルへの染色を実現した。素材幅の拡大とともに、ブランドコンセプトを刷新し、15年度に50万㍍、売上高3億円、18年度に150万㍍、9億円の販売を目指す。

 オニベジは、超硬質素材「コンブ」の合繊改質技術をベースに、タマネギの皮に含まれる成分ケルセチンを使用、合繊に天然色素を固着させることを可能にし、昨年6月に販売を始めたが、ナイロンに限定されることが拡販の障壁になっていた。改質技術の革新で、ポリエステルへの染色が可能になったため、3月から素材バリエーションの拡充とともに、コンセプトを改め、新生オニベジとして販売拡大を狙う。

 新たに掲げるコンセプトは〝情報を染色する〟。使用する天然色素を6種類から22種類に増やすとともに、各色に使用した植物の産地や生産者の歴史、文化、逸話といった背景を打ち出す。カラーバリエーションは全36色。従来は異なる成分をブレンドして色を出していたが、単独で使用することで、一色一色のコンセプトを明確にする。素材感だけでなく、原料に込められたストーリーも販促に生かす。

 様々な厚さの織物、編物、ストレッチ素材にも加工できる上、同社の高次加工技術との組み合わせも可能なことから、ファッション衣料、スポーツ衣料、生活関連商品、メディカル関連商品と幅広い用途に向けて訴求する。2月に開かれた仏素材見本市のプルミエール・ヴィジョン16年春夏展や個別商談で先行して紹介し、既にラグジュアリーブランドや大手アウトドアブランドで採用が決まっている。



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