コッカの新企画、産地の伝統技術活用

2016/02/05 11:33 更新


 服地コンバーターのコッカは、服地と手芸・クラフト分野を融合したテキスタイルの新企画「オルアム」を始めた。若手の企画担当者が部署を越えてチームを組み、産地の伝統技術や職人技を重視したテキスタイルを展開する。プリント技術を活用した手の込んだデザインや、国内の生産背景を訴求して、服地、手芸・クラフトの市場を問わず拡販する。

 同社はここ数年、服地とクラフト、メンズとレディスなどテキスタイル市場の融合が進んでいるとして、分野を横断した企画・販売を推進してきた。またBtoCでも、東京と大阪の直営店でデザイナーと取り組んだ独自のテキスタイルを発信。若い人材の発掘や技術の継承、産地の維持も目的に、「〝日本発〟や〝伝統技術〟を強調したブランディング」(岡田一比古社長)に注力してきた。

 15年夏からプロジェクトが始ったオルアムも、そうした取り組みの一環だ。服地、手芸・クラフトの各部署で、テキスタイルデザインを担当する若手社員がチームを組み、お互いのノウハウや生産背景を共有。産地のユニークな技術と、同社が得意とするプリントのノウハウを活用して、ストーリー性とデザイン性に富んだテキスタイルを企画する。

 ファーストコレクションとして発表したのは7マーク。新潟産地と取り組んだよろけ織りは、同系色の糸使いで波のようなグラデーションが特徴だ。表にポリエステル、裏に綿を配したダブルガーゼは、表裏で染め分けたダブルフェイスに、さらに塩縮加工を施しシボを出した。加工場が限られる特殊な染色技法、マーブル染色を使った綿織物は、インキが溶け合った水彩画のような表情が新しい。

 いずれも110㌢幅で展開する。拡販用に、オルアムの生地を使った製品を着用したモデル写真や、工場の風景や産地の歴史など生産背景を訴求するカタログも製作。部署を越えた新しいテキスタイル企画として、今後も継続して企画に取り組む。

国内でも加工場が少ないマーブル染色を採用した



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