トレンド素材 ニット◆基本

2015/09/21 06:01 更新


《トレンド素材フォーカス》

いまさら聞けないニットの基本


◎織物=糸の交差  ニット=ループの連続

 経糸と緯糸を交差して作る織物に対し、基本的に1本の糸で形成していくのがニット。連続したループでできているため、ソフトで伸縮性に優れる。


◎どの方向に編むかで分類

 ニットは、横方向に編む緯(よこ)編み、縦方向に編む経(たて)編みに大別される。緯編みの機械には、平型の横編み機と円筒状に編み立てる丸編み機がある。横編み機で編まれたものは、横編みという。横編みを指して、ニットと呼ぶ人も多い。丸編みは、裁断・縫製して使われることが多いため、カットソーの代名詞になっている。ジャージーとも呼ばれる。経編みは、トリコット編み機、ラッセル編み機、ミラニーズ編み機を使用する。インナーや資材用途が主力だが、ここ数年はファッション衣料での採用も増えている。


◎大きいほど蜜で、小さいほど粗い

 ゲージ(G)は1インチ(2・54センチ)間に編み針が何本入っているかを表す単位。横編み機の場合は、3~14Gが一般的で、5G以下は「ローゲージ」「コースゲージ」、6・5~10Gは「ミドルゲージ」、12G以上は「ハイゲージ」「ファインゲージ」といわれる。


◎基本の編地は三つ

 編み方によって表現のバリエーションは多彩に広がるニットだが、どんな編み地も三原組織がベースになっている。緯編みは「平編み」「ゴム編み」「パール編み」。平編みは、最も多く使われる編み地。一列の針で編み目を全て同じ方向に引き出して編まれ、表は全て表目、裏は全て裏目になる。天竺(てんじく)編みともいわれる。ゴム編みは、表目の列と裏目の列を互い違いに配列した伸縮性の高い編み地。たて方向に畝(うね)が走っているのが特徴。カーリングが起きにくいので、裁断、縫製がしやすい。セーターの袖口や裾に使われることが多い。リブ編み、あぜ編み、畝編みともいわれる。丸編みの場合はフライス編み。パール編みは、表目と裏目が横の方向で互い違いに表れ、表裏が同じ外観なのが特徴。


(繊研 2015/07/22 日付 19282 号 4 面)



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